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L子(仮)の現場レポート

L子(仮)の現場レポート 第五回 「ムービー撮影の必需品カチンコって!? /出展作家・ホウ・ルル・シュウズさんの美しい言葉/アジアの歴史の深遠さ」の巻

第五回
「ムービー撮影の必需品カチンコって!? /出展作家・ホウ・ルル・シュウズさんの美しい言葉/アジアの歴史の深遠さ」の巻

第五回は、ホウ・ルル・シュウズ (侯淑姿)さんのインタビュー収録からお届けします。

ルルさんのインタビューは、L子(仮)にとって5回目の現場取材だったのですが、このときに初めて、カメラマンOさんの使う「カチンコ」がスマホのアプリであることに気がつきました。ディレクターSさんから、かつては画面に映したカチンコの拍子木が重なったコマと、拍子木の音とを同期させていたのが、デジタルになったことで、それが自動でできるようになったと聞いてさらに驚き。

「カチンコ」って記録に必要な道具というより、なんとなく現場の士気を高めるためのものだと思ってましたよ……。では、今回もいってみましょう!

よ〜い 「カチン!」(って、私たちには聞こえないけど笑)

台湾を代表する写真家であるルルさんは、国立高雄大学で教べんをとる先生でもあります。
カメラを前に「とても緊張しています」とおっしゃるルルさんに、
「私たちを学生だと思って、どうぞ教えるようにお話しください」と、インタビュアーのTさんが現場を和ませます。
10月1日に行われた内覧会でルルさんが記者のみなさんにわかりやすく解説されていたことや、その前日にはキリッとした緊張感で会場の最終チェックをされていたことを思い出しながら、L子(仮)も心の中で「ルルさん、がんばれ!」と全力で応援させていただきました。

アメリカに留学し、当初は写真の保存や修復を学んでいたというルルさんは、多くの写真に触れているうちに「本質を理解すれば、世界を捉えることができる」という写真の特性に気がついたそうです。

「消えていくこの美しい世界を保存する」ために「記憶のかけらを集めていく素晴らしい表現方法」だと思ったことから、自らも写真表現を選んだと、キャリアのスタートを振り返るルルさん。なんて美しい言葉のチョイスなんでしょう!

確かに、「眷村(けんそん)」と呼ばれる元軍人の居住地を撮影した今回の出展作も、「記憶のかけら」を本当に丁寧に、緻密(ちみつ)に保存しています。

正直、(難しそうだな……)と思っていたルルさんの作品ですが、インタビューでのお話を聞いているうちに、その歴史の奥深さにどんどん引き込まれていくのを感じ、その変化に自分でも驚きました。

また、展覧会企画者の笠原美智子さんが、インタビュー(https://aboutlove.asia/artists/hou-lulu-shur-tzy/#movie1)で、「二重、三重に故郷を奪われた兵士たち」と説明されていた眷村の歴史的背景を、ルルさんは講義さながらに解説してくださいました。

アジアを語るうえで、戦争の歴史は避けて通れないトピックだと再認識。
ただ、たとえネガティブな記憶でも、ルルさんのように美しい作品を通してポジティブな未来につなげていくことができるんだということに、アートの強さ、希望を感じます。

メディアでも頻繁に取り上げられ、ここ数年ブームといえるほど注目度の高まっている台湾。ぼんやり「台北(タイペイ)に行ってみたいなぁ」と思っていましたが、俄然高雄市など他の都市にも興味が湧いてきました。

インタビューの帰り道、しょっちゅう「日帰りで屋台を堪能してきた!」という弾丸旅行好きの友人に、「次に台湾行くときは声かけて!」とLINEを送ったL子(仮)なのでした。

2018-11-06T14:04:49+00:00