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「愛について アジアン・コンテンポラリー」
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L子(仮)の現場レポート

L子(仮)の現場レポート 最終回 「学芸員・山田さんのお仕事/みんな大好き!「ニァイズ」 /TOPの図書室は宝の山!」の巻

最終回
「学芸員・山田さんのお仕事/みんな大好き!「ニァイズ」 /TOPの図書室は宝の山!」の巻

展覧会の会期も11月25日(日)までと、残りあとわずか!

最終回は、この展覧会をやり抜いた学芸員の山田さんのお仕事からお届けしたいと思います。

展覧会の準備は、キュレーターが何年もかけて行います。

【愛について】展は、企画者である笠原美智子さん(現・石橋財団ブリヂストン美術館副館長/前・東京都写真美術館事業企画課長)(https://aboutlove.asia/curator-interview/)から、今年の4月に山田裕理さん(東京都写真美術館学芸員)が引き継いで手がけました。(https://aboutlove.asia/curator-interview-yamada/)(そのプレッシャーたるや……ブログ第一回をご覧ください!)

リサーチから始まり、海外在住の作家の場合は交渉のために現地に飛び、どの作品をどのように展示するのか? コンセプトを固め、図録の原稿執筆から印刷所への入稿、会期間近になれば作品の輸送、搬入、展示の準備……と、お話に聞くだけでも頭がクラクラしてくるくらい、やらなければならないことは膨大にあります(山田さん、本当にお疲れ様です!)

L子(仮)が取材にうかがったこの日は、制作室で山田さんが図録の色校正をしているところにお邪魔することができました。

写真の色味は、作家にとって命とも言える重要なもの。作品自体と付け合わせて確認することができない場合は、作家の写真集などと比べて遜色なく再現されているかを入念に確認します。(※写真の作品はキム・オクソンさんの<輝くもの>)

また、忙しいデスクワークの合間を縫って、展覧会のPRのために取材を受け、メディアに作家や作品の説明をすることも大切な仕事です。

この日は、東京都写真美術館ニュース別冊「ニァイズ」の取材がありました。

毎月21日に発行される「ニァイズ」は、美術館好きの方なら、各地にある美術館やミュージアム・ショップにあるフライヤー棚で一度は見かけたことがあるはず! 漫画家のカレー沢薫さんによる人気猫漫画『クレムリン』(講談社)とコラボレーションした無料の広報誌です。

TOPのキュレーターやスタッフを取材して練られた、“ほぼ実録(!?)”のルポ漫画は、 本当に面白くてL子(仮)も大ファン! 。A5サイズと、手帳にちょうど良く収まるということもあり、見かけるたびに挟んでいると、気がつけばバックナンバーがこんなに(笑)。

興味津々で取材の様子を覗かせて頂くと、担当編集の方と共に、山田さん&「ニァイズ」ではお馴染みの広報・ネムロ女史に熱心にヒアリングを行っているところでした。こうした緻密な取材を、いつも長時間かけて3号分まとめて行っているそうです。カレー沢さん、TOPスタッフ双方の熱い思いが込められていることが分かり、これから「ニァイズ」を読むのがますます楽しみになりました。
※東京都写真美術館ニュース別冊「ニァイズ」第95号が、出張版としてリレー連載「My亜細亜なう」でもPDFが公開されています!(https://aboutlove.asia/special-contents/myasianow/)

また、今回L子(仮)がTOPに足を運ぶ中で、改めてその魅力に気がついたのが、4階にある図書室です。

展示室のない階なので、なかなか立ち寄る機会がなかったのですが、さすが日本で唯一の写真と映像の総合美術館! 写真集のアーカイブスは垂涎もの。入館料も必要なく、無料で誰でも利用できるのです。便利な蔵書検索(https://library.topmuseum.jp/drupal/)もあり、見逃した展覧会のカタログなどもスムーズに探すことができます。

L子(仮)は、笠原さんが91年に日本で初めてフェミニズムの視点から企画した展覧会、「私という未知へ向かって 現代女性とセルフ・ポートレイト」展の図録をチェック! 昨年、Instagramを始めたことでも話題になったナン・ゴールディンやシンディ・シャーマンなどの写真を見ながら、笠原さんがトークイベントで「91年でも、世界の潮流の中では遅すぎたぐらいだ」とおっしゃっていたことを思い出しました。

27年前にこの写真展を見た人は、どんな感想を持ったんだろう……。そして、“女性活躍社会”が盛んに叫ばれる今、【愛について】展を見た人たちはどう感じたのだろう?
トークインベントの冒頭の挨拶で、山田さんが
「女性作家だけのグループ展だと言うと、『なぜ女性だけで?』と聞かれるけれど、男性だけならそうした質問は出ません」
とおっしゃっていたことは、自分の無自覚に気づいた瞬間でもあり、とても心に残りました。
アジア、ジェンダー、コンテンポラリー……未知の領域をウォッチしたこの数ヶ月、本当に発見の連続だったな、としみじみしてしまうL子(仮)なのでした。

2018-11-22T23:39:35+00:00